電子工作のキホン
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電子工作のキホン [2018/01/28 17:11] – 作成 yaasan | 電子工作のキホン [2018/01/28 18:21] (現在) – [熱と電気] yaasan | ||
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====== 電子工作のキホン ====== | ====== 電子工作のキホン ====== | ||
- | ここでは、鉄道模型・DCCに関する電子工作に必要な基礎知識をまとめています。 | + | ここでは、鉄道模型・DCCに関する電子工作に必要な基礎知識をまとめています。解説は、電機メーカーで回路設計を行っている現役エンジニアによるものです。 |
* オームの法則 | * オームの法則 | ||
* 直流と交流 | * 直流と交流 | ||
+ | * 電圧降下 | ||
* 熱と電気 | * 熱と電気 | ||
* テスタの使い方 | * テスタの使い方 | ||
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* オープンコレクタと出力回路 | * オープンコレクタと出力回路 | ||
* PWMとモータドライバ | * PWMとモータドライバ | ||
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+ | ===== 抵抗の色・番号 ===== | ||
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+ | 抵抗の色は、以下の通り決まっています。ただし、実はよく使う色はほとんど決まっています。 | ||
+ | これは、抵抗が**E12系列**などの、特定の抵抗値を頻繁に使うように回路設計を行うためです。 | ||
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+ | ^数値 ^色 ^備考 ^ | ||
+ | |0 |黒 |よく使う| | ||
+ | |1 |茶 |よく使う| | ||
+ | |2 |赤 |よく使う| | ||
+ | |3 |オレンジ |よく使う| | ||
+ | |4 |黄 | | | ||
+ | |5 |緑 | | | ||
+ | |6 |青 | | | ||
+ | |7 |紫 | | | ||
+ | |8 |灰 | | | ||
+ | |9 |白 |ほとんど使わない(E12系列外)| | ||
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+ | ==== E12系列 ==== | ||
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+ | ほとんどの電機メーカーは、原則としてE12系列の抵抗値のみを使います。これは、様々な基板で部品を共通化することでコストを低減できるからです。 | ||
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+ | DesktopStationでは、さらに部品数を減らすため、1, | ||
+ | 特に、プルアップ・プルダウンは6.8kΩに固定しています。また、5VにおけるLEDの点灯用の電流制限抵抗は1.2kΩにしています。3.3Vでは、470Ωにしています。 | ||
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+ | ==== 色ではなく3文字の場合 ==== | ||
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+ | 1~2桁目 抵抗値、3桁目 桁数 | ||
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+ | 例: 101=10 * 10^1 = 100Ω | ||
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+ | ===== オームの法則 ===== | ||
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+ | 電圧は、電流と抵抗を掛けたもの、という式です。電気のキホン中のキホンで、様々な鉄道模型の電子工作で、重要となります。 | ||
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+ | < | ||
+ | V=IR | ||
+ | </ | ||
+ | |||
+ | 変形して、電流を得たいときは、 | ||
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+ | < | ||
+ | I=V/R | ||
+ | </ | ||
+ | |||
+ | 抵抗値を得たいときは、 | ||
+ | |||
+ | < | ||
+ | R=V/I | ||
+ | </ | ||
+ | |||
+ | Vは、回路や、部品の前後で値が変わります。これを考慮して、計算をしていきます。たとえば、Vfがある場合は、 | ||
+ | V=V' | ||
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+ | |||
+ | ===== 電圧降下 ===== | ||
+ | |||
+ | 半導体部品(トランジスタ、ダイオード)には、電圧降下(Vfなど)があります。 | ||
+ | 電圧を半導体部品にかけると、電圧降下分の電圧が低下します。これを、電圧降下と呼び、流れる電流が減少するので、これを考慮して回路設計を行います。 | ||
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+ | |||
+ | |ダイオード |Vf | 0.7V~数V | | ||
+ | |LED |Vf |2V~3V程度。赤や黄緑は2V程度、白色や純緑は3V程度| | ||
+ | |MOSFET| Vds | | | ||
+ | |PNP/ | ||
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+ | ===== 熱と電気 ===== | ||
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+ | 電気はエネルギーとして熱量に換算することが出来ます。電気回路の発生熱は、基本的に良くない物です。なるべく、小さくなるように部品選定が必要です。 | ||
+ | |||
+ | 電力[W]は、以下のように式で表せます。 | ||
+ | |||
+ | < | ||
+ | P=VI | ||
+ | </ | ||
+ | |||
+ | これに、オームの法則のV=IRを入れ込むと、 | ||
+ | |||
+ | < | ||
+ | P=VI=I*I*R | ||
+ | </ | ||
+ | |||
+ | となります。つまり、電流値と抵抗値を求めると、自動的に発生する熱量が求められます。 | ||
+ | たとえば、モータドライバの内部抵抗値が7Ωの時に、電流を0.2A(200mA)流す時に発生する熱量は、以下の通り計算できます。 | ||
+ | |||
+ | < | ||
+ | P=0.2*0.2*7=0.28[W] | ||
+ | </ | ||
+ | |||
+ | この熱量が実際に何度に換算されるかは、モータドライバの熱抵抗Rth(j-aの時は周囲温度換算、j-cは内部温度)から計算できます。このときの温度は、連続して動かしたケースです。また、このRthの値は放熱器や基板のパターンの放熱性によって変わります。 | ||
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電子工作のキホン.1517127087.txt.gz · 最終更新: 2018/01/28 17:11 by yaasan